フィボナッチ・フリーク

数学の小ネタ集。

Fibonacci Freak

【講演ノート】12点定理

数物セミナー2017冬の談話会@慶應義塾大学にて,「12点定理」について講演しました.以前からずっとブログで紹介したい!と思っていた内容なのですが,ブログに書く時間がないことに気づいたので(最近数学が忙しいのです),講演用に準備した原稿をそのまま置いておきます.

わざわざホモトピーを定義しているのに線積分ホモトピー不変性は説明していなかったり,単連結という用語を無定義で使っていたりと,ツッコミどころ満載ですが,どうか大目に見てください. 

内容のざっくりした説明

12点定理は平面上の格子点を結んでできるある種の多角形Pとその「双対」P^\veeを考えたとき,それぞれの周上にある格子点の数を足すと必ず12になる,という不思議な定理です.この定理にはたくさんの証明が知られていますが,今回は\mathrm{SL}_2(\mathbb{Z})の考察,普遍被覆への持ち上げ,そしてモジュラー形式を用いてこれを証明します.

 

リンク

12points.pdf - Google ドライブ

 

誤植

P.8 \Delta(z)の定義式は,正しくは \displaystyle\Delta(z)=e^{2\pi iz}\prod_{n=1}^\infty(1-e^{2\pi inz})^{24} です.

 

参考文献

実は以下の記事を和訳しただけという説があります.

B. Poonen and F. Rodriguez-Villegas, Lattice polygons and the number 12, Amer. Math. Monthly 107 (2000), 238–250.