バーゼル問題の短い証明
バーゼル問題とは、平方数の逆数の和
の値を求めよという問題で、1735年にEulerによってこれがであることが示されました。現在では多種多様な証明が知られていますが、今回はE.Calabiによる短く巧妙な証明を紹介します。
積分を2通りの方法で計算します。まず被積分関数を等比数列の和と見て項別積分すると
となり、この値は
に等しいことがわかります。一方でと置換するとこれは三角形領域
上の積分となり、Jacobianは
\[\begin{vmatrix}\dfrac{\partial x}{\partial t}&\dfrac{\partial x}{\partial u}\\ \dfrac{\partial y}{\partial t}&\dfrac{\partial y}{\partial u}\\ \end{vmatrix}=\begin{vmatrix} \dfrac{\cos t}{\cos u}&-\dfrac{\sin t\sin u}{\cos^2 u}\\ -\dfrac{\sin t\sin u}{\cos^2 t}&\dfrac{\cos u}{\cos t}\\ \end{vmatrix}=1-x^2y^2 \]
となります(!)よって積分の値は
で、先ほどの計算と合わせれば
が得られます。
私もこんな巧みな変数変換を思いついてみたいものです。