フィボナッチ・フリーク

数学の小ネタ集。

Fibonacci Freak

石取りゲームとFibonacci数

2人で次のようなゲームをします。 石が個積まれている()。交互に1つ以上の石を取り去り、最後の石を取れば勝ちである。ただし次のルールを守らなければいけない。 (1) 先手は最初に全ての石をとってはいけない。 (2) 相手が直前に取った石の数の2倍より多く…

バーゼル問題の二重対数による解法

バーゼル問題とはの値()を求める問題で、当ブログでは以前Calabiによる短い証明を紹介しました。 fibonacci-freak.hatenablog.com 今回はこのバーゼル問題の、二重対数関数(Dilogarithm)という不思議な関数を使った解法を紹介します。 二重対数関数とはで収…

完全有向グラフはハミルトンパスを持つ

頂点の完全グラフの各辺に向きが与えられたものを頂点の完全有向グラフといいます。例えば下の図のようなものです。 実は完全有向グラフには必ずハミルトンパスが存在します。ハミルトンパスとは全ての頂点を1回ずつ通る道のことです(閉路でなくても構いま…

Fibonacci数を隠し持つ積分

次の定積分の値は何になるでしょうか? 実はこの積分はFibonacci数と深い関係があります。被積分関数は を挟んで対称なので ここでの中身の積の部分に注目します。これは実はFibonacci数になっています(!)Fibonacci数とは で定義される数列でした。 と置…

立方体の"あの角度"

立方体において、の大きさが何度になるか知っていますか? に着目して逆三角関数を使えば、この角度はと表すことができます。これは果たして有理数度(弧度法で(有理数))になるのでしょうか? 実は、より一般に次のことが示せます。しかも高校数学のみで…

バーゼル問題の短い証明

バーゼル問題とは、平方数の逆数の和 の値を求めよという問題で、1735年にEulerによってこれがであることが示されました。現在では多種多様な証明が知られていますが、今回はE.Calabiによる短く巧妙な証明を紹介します。積分を2通りの方法で計算します。まず…

置換の下降数と減少数

置換には興味深い性質がたくさんあります。ここではその一つを紹介します。 上の置換の全体をと書きます。に対し、その下降数をなるの総数と定めます。例えばという置換にはとの2箇所に「下降」があるため、下降数はです。 また、置換の減少数をなるの総数と…

このブログについて

はじめまして。飛鳥といいます。 このブログでは、「明日誰かに話したくなる数学の小ネタ」の数々を紹介していきたいと思っています。小ネタなので一つ一つの記事は短めですが、証明はきちんとつけるつもりです。 ブログ名は私が大好きな数列、Fibonacci数か…