フィボナッチ・フリーク

数学の小ネタ集。

痩せた集合・太った集合

私は痩せています。どのくらい痩せているかというと、アスパラぐらいです。 実は数学には「痩せた集合」という概念があって、私はだいぶ親近感を持っています。今日はその痩せた集合について書きたいと思います。 まずは痩せた集合の定義をしましょう。 定義…

自作数学パズル保管所を開設しました

実は私は最近数学パズルを自作するのにハマっており、時々Twitterなどで出題しています。しかしTwitterではすぐに過去の問題が流れていってしまい、後から見つけるのが大変です。そこで自作パズルを別のブログにまとめておくことにしました。 parabolic-puzz…

素数の無限性の一風変わった証明

素数が無限に存在することはもはや人類の常識と言えますが、その証明を沢山知っている人は少ないように感じます。 私は証明そのものを鑑賞するのが好きなタイプなので、以前からずっと素数の無限性のオリジナル証明を作れないかと考えていたのですが、この間…

格子点を2色で塗り分ける問題

先日、Twitterで次のような問題を見かけました。 問題. 平面上の格子点(座標が整数の点)を2色で塗り分ける。どのように塗っても、辺が軸に平行で4つの頂点が同色の正方形が存在することを示せ。 その日の夜ベッドで考えながら寝たところ、朝起きて5分ほど…

グラフと素数:Erdős-Evansの定理

からまでの整数から相異なる数を取り、「がと互いに素ならを結ぶ」という規則でたちを頂点とするグラフを作ってみましょう。例えばとしてを選ぶと下のようなグラフが得られます(小さい数字は)。 グラフをこのような方法で作ることができるとき、はで表現可…

2^n+1を割り切る素数の密度は17/24

という数列を考えましょう。 これは全て奇数ですからの倍数は登場しません。の倍数は上の列に出てきていますね。しかしの倍数は見当たりません。実はこの列にはの倍数は現れないのです。これはが と循環し、が現れないことからわかります。 では、の素因数に…

とある整数論の問題と、その鮮やかな解法

次の問題は1984年にハンガリーのとある数学コンテストで出題されたものです。 問題. を正整数とする。どんな素数についてもをで割った余りがをで割った余り以下であるとき、を示せ。 これはもともとPálfyという数学者が予想し、ErdősがSylvester-Shurの定理…

Fibonacci素数とF-完全数

完全数とは「自分自身以外の約数の総和が自分自身になる」ような正整数のことで、と続きます。 これの仲間として「自分自身以外の約数の2乗和が自分自身の3倍になる」ような正整数を「F-完全数」と呼ぶことにしましょう。最初の3つのF-完全数は となります。…

Fibonacci数の逆数和は無理数である

【注意】この記事には横に長い数式が多く含まれます。小さい端末では画面を横向きにすることを推奨します。 皆さん、Fibonacci数は好きですか?好きですよね。私も大好きです。 今回は21世紀に生きるフィボナッチ・フリークなら必ず一度は証明を読んでおきた…

あるサイズの巡回置換だけで任意の置換を作る

任意の置換は互換の積に表すことができます。では同じように、3元の巡回置換(は相異なる)だけを組み合わせて任意の置換を作ることはできるでしょうか? 答えはNoです。(置換は右から合成する)と書けるので、3元の巡回置換は偶置換です。偶置換の積は偶置…

振り子の幾何学

振り子に勢いよく初速を与えると、跳ね上がって糸がたるむことがありますね。 このとき、「糸がたるみ始める地点」と「球が落下して糸がピンと張る地点」の間には綺麗な関係があります。実は鉛直上方向から角度を測ると、角度の比(図の)は必ずになるのです…

根心の存在が自明に思える図

を中心とする3円が互いに2点ずつ()で交わっている状況を考えます(下図)。このとき3本の直線は一点で交わります。これを3円の根心と言います。 さらっと書いてしまいましたが、本当に一点で交わるの?と疑問に思われる方も多いでしょう(私も初めて聞いたと…

奇跡の楕円曲線と144

私が最も好きな不定方程式の一つに、次のものがあります。 いわゆる楕円曲線の一種です。この方程式の整数解は全部でいくつあるでしょうか? まず方程式の形からがわかります。順に試していけばすぐにという解が見つかります。ここから先はなかなか解が現れ…

石取りゲームとFibonacci数

2人で次のようなゲームをします。 石が個積まれている()。交互に1つ以上の石を取り去り、最後の石を取れば勝ちである。ただし次のルールを守らなければいけない。 (1) 先手は最初に全ての石をとってはいけない。 (2) 相手が直前に取った石の数の2倍より多く…

バーゼル問題の二重対数による解法

バーゼル問題とはの値()を求める問題で、当ブログでは以前Calabiによる短い証明を紹介しました。 fibonacci-freak.hatenablog.com 今回はこのバーゼル問題の、二重対数関数(Dilogarithm)という不思議な関数を使った解法を紹介します。 二重対数関数とはで収…

完全有向グラフはハミルトンパスを持つ

頂点の完全グラフの各辺に向きが与えられたものを頂点の完全有向グラフといいます。例えば下の図のようなものです。 実は完全有向グラフには必ずハミルトンパスが存在します。ハミルトンパスとは全ての頂点を1回ずつ通る道のことです(閉路でなくても構いま…

Fibonacci数を隠し持つ積分

次の定積分の値は何になるでしょうか? 実はこの積分はFibonacci数と深い関係があります。被積分関数は を挟んで対称なので ここでの中身の積の部分に注目します。これは実はFibonacci数になっています(!)Fibonacci数とは で定義される数列でした。 と置…

立方体の"あの角度"

立方体において、の大きさが何度になるか知っていますか? に着目して逆三角関数を使えば、この角度はと表すことができます。これは果たして有理数度(弧度法で(有理数))になるのでしょうか? 実は、より一般に次のことが示せます。しかも高校数学のみで…

バーゼル問題の短い証明

バーゼル問題とは、平方数の逆数の和 の値を求めよという問題で、1735年にEulerによってこれがであることが示されました。現在では多種多様な証明が知られていますが、今回はE.Calabiによる短く巧妙な証明を紹介します。積分を2通りの方法で計算します。まず…

置換の下降数と減少数

置換には興味深い性質がたくさんあります。ここではその一つを紹介します。 上の置換の全体をと書きます。に対し、その下降数をなるの総数と定めます。例えばという置換にはとの2箇所に「下降」があるため、下降数はです。 また、置換の減少数をなるの総数と…

このブログについて

はじめまして。飛鳥といいます。 このブログでは、「明日誰かに話したくなる数学の小ネタ」の数々を紹介していきたいと思っています。小ネタなので一つ一つの記事は短めですが、証明はきちんとつけるつもりです。 ブログ名は私が大好きな数列、Fibonacci数か…